ハリルホジッチの日本代表は強いのか弱いのか
ザッケローニ、アギーレ監督でワールドカップ惨敗そして八百長問題という順調とは言い難い軌跡を描いてきたサッカー日本代表。
そこに救世主のように現れたのがハリルホジッチ監督です。
しかし現時点で結果は思わしくありません。ロシアワールドカップ最終予選もテレビの前で思わず頭を抱えているファンの方も多いと思います。
そこで今回はハリルホジッチ監督になって何が良くて何が悪いのか。
強くなったのか弱くなったのか。そしてこのままでいいのか。
それをわかりやすく解説していきます。
(文字数が多くなったので今回は良いところです。悪いところは次の記事で書きます)
ハリルホジッチ監督の特徴
縦に速いサッカー
ザッケローニ監督の頃はとにかくポゼッションと正確なダイレクトショートパスでの創造性豊かなゲーム支配が特徴でした。
しかし南アフリカワールドカップでは相手のプレッシャーにゲームを支配できない、どころか逆に展開が少なく相手に支配される結果になりました。これはザッケローニ監督の戦術がフィットしなかったという一言で片付けるのはナンセンスで各選手のコンディションやメンタル(勇気)、そして元も子もなくなりますがクオリティで完全に劣ってしまったと言えます。(ザッケローニの本番も悪かったですが…。)
その反省を活かして?(協会が)今のハリルホジッチはその逆です。
自軍がボールを持ったら素早いビルドアップから手数をかけずに縦に速い攻撃を繰り出すことを目指しています。この戦術のメリットは強豪国相手に引いて守る戦いの中で活路を見いだせることです。
日本人選手は国際経験の少なさから強いプレッシャーに弱く、中途半端な位置でボールを奪われることがままあります。それが続くとディフェンスラインが上げられず陣形が間延びし中盤を支配されてゲームを支配されることはもちろん必然的に走る距離も長くなりスタミナも削られてしまいます。
しかし引いたところから一気にカウンター(ショートも含め)手数をかけずに裏抜けした選手を走らせれば、クオリティの拙さをカバーできる利点もあり、守備も崩壊しにくく負けない戦いができます(ここがキーポイント)。
フィジカル強化でデュエルに強くなる
デュエル=球際ですね。ここをもっと強くすることでボール奪取、セカンドボールの獲得、ボールキープ力を高めていこうよ、ということです。
この狙いはもちろんどの監督でも持っているのですが、ハリルホジッチ監督は少し変わった管理をしました。
それは日本代表選手の体脂肪管理です。ぶよぶよの腹で何ができるのかと。筋肉つけて当たり負けるなということですね。
コレには賛否両論あるのですが、ハリル監督からの平均身長が低い日本人が球際でデュエルするには最低限の体づくりは必須だというメッセージです。
実際日本は球際強いとはいえませんしね。

綿密な戦術(タクティクス)理解を求め、ルール遵守を求める
先程の縦に速いサッカーをする為に選手各々にとにかく細かく戦術の理解を求めルールを守らせます。
ミーティングの時間が長すぎて長谷部選手が代表して「もっと短くしてください」と嘆願したくらいです。あまりに長すぎて寝ちゃった選手もいたようです(海外組は時差もありますからね)。
少しサッカーが好きな方なら以前日本代表監督を率いたジーコ監督とは対極なことはわかると思います。ジーコ監督はとにかくスター選手を集めて自由にやらせていましたので。その分ハマるときとハマらないときの落差が激しかったですが、今までで一番ワクワクした瞬間があったのも事実です。やはり選手がイキイキしているのを見るのは良いものです。
話がそれましたが、ハリル監督はジーコ監督とは反対で、各選手のやることは徹底管理してやることを明確化して組織力で勝ちにいくタイプということです。

ハリルホジッチジャパンの良いところ
強豪国相手に負けないサッカーの組み立てができる
先程説明した縦に速いサッカーのメリットはリスクが少なくシンプルということが挙げられます。
強豪国相手にポゼッションサッカーは日本には無理です。そもそもそんなに強くないんだから(暴言)強豪国相手では引いて守る展開になります。だから守備陣形を崩さず一発狙いの早いカウンターしましょう、ということです。
わたしはこの戦術の何が良いかというと日本代表は強豪国相手ではまだまだ大きな差があるということを協会、監督、選手が共通認識として持ち、まずは負けない戦いをしようとしていることです。
一時期自分たちのサッカーなんて言葉が悪意を混じえてメディアを席巻しましたが、やはり国際試合は勝負事なので負けちゃだめなんです。絶対に。自分たちのスタイルや美学の前にまずは絶対に負けないこと。
その考えが浸透したことは1ファンとしてとても嬉しいです(実際の勝ち負けは置いといてまずは考え方です)。
フィジカルの重要性を強く説いた
私はハリル監督の体脂肪どうこうの話には実は興味がなくて、要は球際で負けずにボールを保持できたらそれでいいと思っています。まぁハリルホジッチ監督の定める体脂肪ってけっこう最低限のレベルなのであれがクリアできない選手は論外っちゃあ論外ですけどね。
そんなハリル監督の体脂肪管理のなぜ良いところだと思うのかというと、公の場でフィジカルの重要性、球際でのデュエルがどれだけ試合の勝敗を左右するのかを説いたことです。
そのおかげで今は関係者のみならずファンや一般人にまで日本人選手の体は貧弱であるということが浸透しました。あの会見を見ていた日本代表に選ばれたい選手はもちろんプロを目指す子供たちにも刺激になったことでしょう。
体あってのテクニックや戦術です。体づくりを疎かにしては日本サッカーに未来はありません。
そんな私も皆が筋骨隆々になる必要はないと思っています。人間は一人ひとり体のタイプが違い、そのタイプに応じて綿密な計画の元に体づくりを進めていくべきです。
目的はクリロナの体になることではなくボールを奪い、また奪われないことです。超スピードを活かした瞬発力でかわすもよし、しなやかさを磨き吸収型のDF技術を発揮できるようになるもよし、それはフィジカルトレーナーと二人三脚でやっていけばよいのかなと。
良いところばかりではなく悪いところももちろんある!
今回いろいろハリルジャパンの良いところを書き連ねてきましたが、私が思う悪いところ弱いところもたくさんあります。
それは次の記事で説明します。
私は生きているうちに本気で日本代表にはワールドカップで優勝してほしいと思っています。幼少時からサッカーに没頭しサッカーが好きで好きでたまらなく、大人になった今でも公園に一人でボールを蹴りに行っちゃうくらいのサッカー好きです。
日本代表が強くなるためにどうしたらいいんだろうと風呂に入りながら頭を悩ませるサッカーオタクが書いたハリル監督批判。ぜひ読んでみてください。
